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茶匠とは|茶審査技術九段・黒木信吾が語るお茶の鑑定力と想い

茶匠,全国茶審査技術競技大会,9段,代表取締役:黒木信吾,黒木の想い

「茶匠」とは、一般的に全国茶審査技術競技大会で段位を取得した、お茶の鑑定に精通した専門家のことを指します。新緑園の代表取締役・黒木信吾は、この競技大会に繰り返し参加し、好成績を積み重ねた結果、最高峰に近い九段位を取得しました。九段以上の取得者は全国でも20数人しかいない、非常に狭き門です。

このコラムでは、茶匠という資格の意味、全国茶審査技術競技大会の内容、そして茶匠としての黒木の想いをご紹介します。

茶匠の役割と専門性

茶匠は、茶葉の産地・品種・茶期を見極め、最適な味わいへ導く設計者です。外観・香気・滋味を総合的に評価し、合組(ブレンド)や火入れを組み合わせながら品質を整えます。

雨量や気温によって毎年微妙に変わる茶葉の個性を補正し、安定した品質へ仕上げることも重要な役割のひとつです。製造工程の各段階で欠点茶の混入を避け、長所を引き出す技術を積み重ねることで、同じ銘柄の「らしさ」を保ちながら、季節の表情を感じる一杯が生まれます。

段位と現場力の関係

全国茶審査技術競技大会の段位は、鑑別精度の高さを示す客観的な指標です。外観や浸出液から産地・品種・茶期を判別する訓練を積み重ね、誤差を最小化する感覚を磨きます。

ただし、段位はゴールではありません。実際の現場では、ロット差や保存条件、抽出の前提まで考慮しながら、販売計画や顧客ニーズに合わせた味作りが求められます。数値と官能評価の両輪で意思決定し、品質を底上げしていくことが、茶匠としての総合力といえるでしょう。

段位認定規約(全国茶審査技術競技大会段位認定規約)

全国茶業連合青年団が発行・交付する段位認定証は、茶業を営む専門家としての茶の審査技術・鑑別能力が、同団主催の全国茶審査技術競技大会(個人戦)において成績優秀と認められた者に限り、評価基準に従って授与されるものです。

段位認定が適用されるには、以下の五種類の審査のうち、「煎出液服用による生産地鑑別競技」を含む四種類以上の組み合わせによる競技会であることが条件となります。

  • 外観による生産茶期別判定競技
  • 浸出による茶品種鑑別競技
  • 浸出による欠点茶鑑別競技
  • 外観による生産地判定競技
  • 煎出液服用による生産地鑑別競技

段位認定基準

段位の認定は、競技会の総合計点に対する当該競技者の総得点が、以下の基準に到達した場合に授与されます。

  • 初段位:50%(20点以上)
  • 二段位:55%(22点以上)
  • 三段位:60%(24点以上)
  • 四段位:65%(26点以上)
  • 五段位:70%(28点以上)
  • 六段位:75%(30点以上)

昇段基準

七段位以上は、以下の昇段基準に従って認定証が授与されます。

  • 七段位:六段位取得者で、総合計点に対し総得点が80%(32点)に到達した者
  • 八段位:七段位取得者で、総合計点に対し総得点が80%(32点)に到達した者
  • 九段位:八段位取得者で、総合計点に対し総得点が80%(32点)に到達した者
  • 十段位:九段位取得者で、総合計点に対し総得点が80%(32点)に到達し、かつ団長会議の推薦を得た者

初段から五段までの既得有段者の昇段については、段位認定基準を適用して昇段することができます。

全国茶審査技術競技大会とは

「全国茶業連合青年団」主催の、日本茶業界の商工業分野で最も権威あるとされる、お茶の鑑識眼を競う競技会です。約半世紀の歴史を持ち、優勝者には農林水産大臣賞が授与されます。日本茶の産地鑑別・品種鑑別・茶期判定など、高度な審査技術が問われます。

1. 競技の種類

  • 第一審査:浸出による茶品種鑑別競技(荒茶)
  • 第二審査:外観による生産茶期別判定競技(荒茶)
  • 第三審査:外観による生産地判定競技(仕上茶)
  • 第四審査:煎出液服用による生産地鑑別競技(仕上茶)

2. 競技方法

第一審査(浸出による茶品種鑑別競技)

  • 資料茶は各茶業試験場調製の品種茶7種の中から5種を選ぶ(おくみどり、さやまかおり、おくひかり、ゆたかみどり、かなやみどり、さえみどり、ふうしゅん)
  • 資料茶にはア〜オの符号をつける。茶量は4g、水は上水道を使用
  • 5種を1卓とし、各卓5人で一斉に審査。審査時間は5種で5分間

第二審査(外観による生産茶期別判定競技)

  • 資料茶は1・2・3番茶(荒茶)各1点とその内いずれか2点の計5種
  • 5種を1卓とし、各卓5人で一斉に審査。審査時間は5種で5分間

第三審査(外観による生産地判定競技)

  • 各都府県の茶業青年団から提出された産地銘柄10種を使用
  • 10種を1卓とし、各卓10人で一斉に審査。審査時間は10種で10分間

第四審査(煎出液服用による生産地鑑別競技)

  • 茶量10g、浸出時間1分30秒、湯量3デシリットル、水は上水道を使用
  • 使用茶の銘柄は東京・静岡・京都・大阪・鹿児島の各茶業青年団が担当
  • 1回に5種5煎させ4回実施(2回目より5煎目を省略)

3. 採点方法

  • 第一・第二審査:各5点満点
  • 第三審査:10点満点
  • 第四審査:5点満点×4組
  • 合計40点満点で順位を決定

出典:全国茶業連合青年団「第50回通常総会資料」

茶鑑定力9段 茶匠 黒木の想い

茶匠,全国茶審査技術競技大会,9段,代表取締役:黒木信吾,黒木の想い

お茶は農産物ですから、毎年新しいお茶が目の前に並びます。それらはすべて同じものではなく、香り・甘味・苦み・渋み・形・色がそれぞれ異なる品質を持っています。

その多種多様なお茶の最良のポイントを見極める力をつけることが、お客様に本当に納得していただけるおいしいお茶をご提案することに繋がっていくと考えています。

お客様に届く"価値"をつくる

茶匠の仕事は、茶園とお客様の橋渡しです。シングルオリジンの魅力をそのまま伝える提案もあれば、用途に合わせて合組で最適解を作る場面もあります。

  • 食中茶には後口の切れ
  • 贈答用には香りの格調
  • 日常茶には抽出しやすさ

目的が変われば設計も変わります。淹れ方や保管方法まで含めて体験価値を設計し、再現性の高いおいしさを届けることが使命です。新緑園では茶匠の鑑定眼と火入れ技で、日々の一杯を「納得の一杯」へ高めてまいります。

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記事監修

日本茶専門店 新緑園 代表取締役 茶匠 黒木信吾 (茶審査技術 九段 / 全国茶品評会 農林水産大臣賞 4度受賞)

宮崎県新富町にて昭和30年創業の新緑園代表。全国茶審査技術競技大会で全国でも数少ない「九段」を取得。

  • 全国茶品評会 農林水産大臣賞 4度受賞
  • 国内外コンテストで多数受賞
  • 日本茶普及活動にも従事

茶匠とは、全国茶審査技術競技大会で段位を取得したお茶の鑑定専門家です。新緑園代表・黒木信吾は、産地・品種・茶期を見極める茶審査技術で九段を取得。九段以上は全国でも20数人しかいない狭き門です。茶葉の香り・甘味・渋みを総合的に評価し、お客様に納得いただける一杯を届けることを使命としています。

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