静岡県について


生葉収穫量149000トン、荒茶生産量33100トン。国内随一の茶産地で、市場占有率は40%を超えます。江戸時代から茶産地として知られ、足久保茶が将軍御用茶となり、茶壺道中が行われましたが後に中止。大産地となったのは明治以後で、大政奉還を行った徳川慶喜が駿府に移住した際に、徳川家の藩士が不毛の地だった牧之原を開墾し、雇われた小作人らが輸出向け作物として有望だった茶栽培を始めたことがきっかけで、大井川の水源や温暖な気候が後押しをしました。また、「やぶきた」が発見されたのも静岡で、産地成長を決定づけました。産地も全県各地に亘り、中でも牧之原、三方原、磐田原周辺には大規模な茶園が広がっています。また、山間の産地として川根、天竜などがあります。

◆富士山と茶畑
静岡茶
川根茶(川根本町)・沼津茶・富士茶・足久保茶(静岡市)・本山(ほんやま)茶(静岡市)・両河内(りょうごうち)茶(静岡市清水区)・庵原(いはら)茶(静岡市清水区)・梅ヶ島茶(静岡市)・岡部茶-朝比奈玉露-・榛原(はいばら)茶・みくりや茶(御殿場市)・金谷茶・島田茶・天竜茶・藤枝茶・掛川茶・菊川茶・小笠茶・袋井茶・渋川茶(浜松市)・井川茶(静岡市)・磐田茶・遠州森の茶・新山茶(静岡市)・水窪(みさくぼ)茶・浜松茶・春野茶・御前崎茶・ぐり茶(伊東市)など多くの銘柄があります。

川根茶(川根本町)
大井川上流に位置する川根地区で栽培されている、名の知られた銘柄の一つです。傾斜面を利用した茶畑は寒暖差が激しく、また大井川の影響で朝霧が掛かるために、良質の茶が育ちます。

本山(ほんやま)茶
静岡市北部、安部川と支流藁科川上流に位置する山間部で生産されています。古くは安倍茶とも呼ばれていましたが、他産地と区別するため、発展の礎を築いた筑紫光太郎が本山茶と命名しました。明治天皇にも献上した歴史があり、静岡茶を代表する高級銘柄として知られています。また、静岡茶発祥の地でもある足久保地区産のものは、足久保茶と呼ばれます。
 

静岡県が誇る日本茶の歴史と文化的背景

静岡県は江戸時代から茶産地としての歴史を持ち、特に将軍家御用達の足久保茶や、茶壺道中などの文化的背景は今も語り継がれています。明治時代になると、徳川慶喜の駿府移住を契機に、牧之原台地が茶畑として開墾され、本格的な大産地への道を歩み始めました。

この地域は温暖な気候、大井川の豊かな水資源、そして霧が立ちこめる環境が茶の栽培に適しており、高品質な茶葉を安定的に生産できる条件が整っています。また、静岡で発見された優良品種「やぶきた」は、その後全国に広まり、日本茶業界全体の発展に大きく寄与しました。こうした歴史的背景と栽培条件の良さが組み合わさり、静岡茶は今も全国生産量の約4割を占める、日本を代表する茶産地としての地位を確立しています。

多彩な銘柄と地域ごとの個性

静岡県内では、地域ごとに異なる気候や地形を活かした多様な銘柄が存在します。牧之原や掛川、菊川などの平地・台地では、広大な茶園と効率的な栽培が特徴で、旨味と渋みのバランスが取れた煎茶が生産されます。一方、川根や本山、梅ヶ島などの山間部では、朝晩の寒暖差と川霧が茶葉に甘味と香りを与え、繊細で上品な風味が楽しめます。

また、岡部の朝比奈玉露のように、覆い下栽培による高級玉露も有名です。近年では、ぐり茶(伊東市)や深蒸し茶(掛川市)など、製法や形状に特徴を持つお茶も注目され、県内各地で多様なニーズに応える銘柄が生まれています。この地域ごとの個性を知ることで、同じ静岡茶でも異なる味わいの世界を楽しめます。

静岡茶の魅力を活かす楽しみ方

静岡茶は品種や産地ごとに風味が異なるため、飲み方や淹れ方を変えて楽しむのも魅力です。たとえば、深蒸し煎茶は細かい茶葉から濃い水色とまろやかな味が出やすく、熱めのお湯で淹れるとしっかりした渋みが引き立ちます。一方、山間部産の本山茶や川根茶は香り高さが特徴で、70℃前後のやや低めの温度で淹れると甘味が際立ちます。

また、夏場には水出しにして爽やかさを楽しむのもおすすめです。静岡県では観光茶園や製茶体験も盛んで、生産地ならではの新鮮なお茶をその場で味わうこともできます。産地を訪れて背景を知り、茶葉を手に取ることで、より深く静岡茶の魅力を感じられるでしょう。




※上記は新緑園ではお取り扱いがございません。
 あくまでも産地のご紹介となります。
 悪しからずご了承ください。





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