紅茶の等級について


◆リーフティーの等級区分
紅茶は仕上げの工程でふるいにかけられ、その形状、大きさによって区分されます。これを一般に紅茶の等級区分といいますが、それは茶葉の「大きさ」と「外観」を表すだけで、品質の良し悪しを表したものではありません。


OP(オレンジ・ペコー)
一般に細かい針状の長い葉で、葉肉は薄く、しばしば橙黄色の芯芽(ティップ)を含みます。浸出した水色は明るくうすいものが多く、香味が強いのが特徴です。

P(ペコー)
葉は太めでよく揉まれたもの。OPよりも短く、針金状ではなく、芯芽はあまり含まれません。水色は一般にOPよりもやや濃い。

BP(ブロークン・ペコー)
BOPよりややサイズは大きく、芯芽をふくまず形も扁平なものが多く中級品。水色はやや弱く、主に増量用に使われます。

BOP(ブロークン・オレンジ・ペコー)
需要が最も多いものです。リーフ・スタイルのどの茶よりも葉のサイズが小さく、もっとも多く芯芽を含み、よく揉まれています。水色も濃く、強く、香味も強い。

BOPF(BOPファニングス)
BOPよりも小型で、はるかに水色は濃く早く抽出されます。ブレンドに多用される上級品。

F(ファニングス)
扁平で小さなサイズで、ダストより大きい。

D(ダスト)
葉のサイズがもっとも小さいもの。


◆ティーバッグ用紅茶の等級区分
ティーバッグに使われている茶葉の多くはCTC製法によるものです。CTCとはCrush、Tear、Curlの略で、短時間で茶成分の抽出が出来るように、最初から細かい茶葉を作る製法です。したがって「CTC茶」には前述のリーフスタイルの茶はありません。等級を簡単に区分すればブロークン、ファニングス、ダストとなります。


BP(ブロークン・ペコー)
やや大型のブロークンスタイルのもの。

BOP(ブロークン・オレンジ・ペコー)
小型のブロークンスタイルのもの。

PF(ペコー・ファニングス)
小型のファニングス・大型のものはOF(オレンジファニングス)

PD(ペコー・ダスト)
サイズの最も小さなタイプ。
 

◆等級が示すものと選び方のポイント
紅茶の等級は品質ではなく、あくまで葉のサイズや形状を示すものです。

たとえば、OPやPといったホールリーフは抽出に時間がかかるものの、ゆっくりと広がる香りを楽しむのに向いています。一方、BOPやF、Dといったブロークンスタイルは、短時間で濃厚な味を引き出せるため、ミルクティーやチャイなど濃い味を求める飲み方にぴったりです。ティーバッグの紅茶も多くがこのブロークンタイプかCTC製法のものが使われています。

紅茶を選ぶ際は、等級にとらわれすぎず、どのような飲み方をしたいのか、自分の好みに合ったタイプを見極めることが大切です。軽やかな香りを楽しみたいならホールリーフ、しっかりとした味わいが好きならブロークンやCTCタイプがおすすめです。
 

◆CTC製法と従来製法の違い
紅茶の製造には大きく分けて「従来製法(オーソドックス製法)」と「CTC製法」の2つがあります。

オーソドックス製法では茶葉を傷つけずに丁寧に揉み、自然な形状を保ちながら風味豊かな紅茶を仕上げます。一方のCTC製法は、茶葉を細かくつぶしてカットし、短時間でしっかりとした味を抽出できるようにします。

CTC製法はインドやスリランカで広く用いられており、ミルクティーやチャイ向けに特化した茶葉が多く、抽出も早いため現代のライフスタイルにも合った製法といえるでしょう。香りを重視したい場合はオーソドックス製法の紅茶を、コクのある濃い紅茶を求める場合はCTC製法の紅茶を選ぶのがおすすめです。
 

◆世界で異なる紅茶等級の基準
紅茶の等級はインド、スリランカ、中国、ケニアなどの主要生産国でそれぞれ独自の基準があります。特にインドとスリランカではBOP、F、Dといった等級が浸透していますが、中国紅茶では葉の形状よりも香りや見た目の美しさに重点が置かれ、等級の概念も異なります。

また、近年では欧米諸国を中心に、等級だけでなくオーガニック認証やフェアトレード認証の有無も紅茶選びのポイントになっています。これからの紅茶選びでは、等級に加えて産地や製法、環境配慮の観点からも多角的に見ることが求められるでしょう。

紅茶の等級は一見難しそうに思えますが、基本を押さえれば選ぶ際の参考になります。自分のライフスタイルや好みに合わせて、お気に入りの紅茶を見つけてみてはいかがでしょうか。



宮崎和紅茶ティーバッグ(2g ×20p):新緑園のお茶
宮崎和紅茶ティーバッグ(2g ×20p)

宮崎和紅茶(茶葉)80g:新緑園のお茶
宮崎和紅茶(茶葉)80g

 

ちょっと一息 お茶のよもやま話


日本茶Blog

Loading...