九州地方の日本茶〜岳間茶〜(熊本)
肥後国熊本藩、初代藩主細川忠利公ゆかりのお茶
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深い山と岳間川の水、朝夕の霧が育む茶葉
岳間は深蒸し煎茶が有名な豊かな味わいのお茶を産出する地域です。
熊本県の最北部の標高300mの山間に位置し、清らかな空気と水に恵まれ、朝夕には霧が立ち込めます。冬の茶園には雪が積もることもあり、深蒸し茶に向く肉厚の葉が育つお茶の栽培に恵まれた土地です。

岳間では、深蒸し煎茶以外に、ぐり茶と呼ばれる蒸し製玉緑茶も製茶されています。ぐり茶は茶葉が勾玉のように、ぐりっと丸い形状で、九州と静岡県の一部地域で生産されているお茶です。


代々の細川藩主に献上されてきた岳間茶
岳間茶の歴史は古く、江戸時代初期の記録に残されています。
肥後国熊本藩の初代藩主細川忠利公が、山鹿の領内巡視の折に飲んだお茶を気に入ったため、献上茶となりました。その後も、代々の細川藩主に御前茶として献上されてきた歴史があります。


深い緑とまろやかで旨味豊かな味わい
深蒸し煎茶は、通常の蒸し煎茶と比べると、2〜3倍の時間をかけて生葉を蒸し上げます。蒸し時間が長いため渋みが控えめで、まろやかな旨味と甘みを感じるお茶です。水色は濃い鮮やかな緑色。深い蒸し上がりのため、茶葉が細かくなり粉も多いのですが、この粉の中にまろやかな岳間茶の味わいが存在します。

深く蒸され、粉になるほど柔らかい茶葉ですので、お茶を入れる際の湯の温度は70~80度が適温となります。美しい緑のお茶に凝縮されたお茶本来のうまみが楽しめるのが、岳間茶の魅力です。
 

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