碾茶(てん茶)について



碾茶(てんちゃ)は、蒸し製緑茶の一種で抹茶の原料です。中国茶の一つである甜茶(てんちゃ)とは、全く異なる種類です。 茶を摘採まで少なくとも20日以上被覆してその生葉を蒸して揉まずに乾燥させたものです。玉露と同様、収穫前に被覆した茶葉を蒸し、碾茶炉で乾燥して製造します。煎茶のように茶葉を揉む工程が無いため、形状は青海苔に似ています。玉露同様独特のかぶせ香があり、適度に香ばしいです。 茶葉の中でもテアニンというアミノ酸の一種(グルタミン酸の誘導体)を多く含み、リラックス・集中力を高める効果があります。

抹茶とはこの碾茶を石臼で挽いて粉末状にしたもののことをいいます。
玉露と同じようにヨシズやワラといった伝統資材、あるいは寒冷紗のような資材で茶園を覆い日光を遮って育てた(被覆栽培)茶葉は、青海苔のような独特な香味があり、主に茶道のお点前用に使われています。

また、被覆せずに育てた茶葉は、適度な渋みがあり、味と色合いで相性のよい洋菓子やアイスクリームなどの原料として使われています。 よく食べている多くのケーキ屋アイスクリームで目にしているものは、ほぼこれを使っているといっても過言ではありません。 名称の「てん」は「碾」と書き、挽く行為を表していて、粉砕するためのお茶であることを意味しています。
 

碾茶の製造工程とその特徴

碾茶の製造は、他の日本茶とは異なる工程が特徴です。収穫された茶葉は蒸熱されたあと、揉まずにそのまま乾燥されます。

煎茶や玉露のように茶葉を揉む「揉捻(じゅうねん)」工程が無いため、仕上がった碾茶は平たくて柔らかく、まるで青海苔のような見た目になります。乾燥には碾茶炉という専用の設備が使用され、一定の温度でじっくりと仕上げることで、独特の香ばしさと色味が引き出されます。

また、碾茶の大きな特徴として、収穫前に行う「被覆栽培」があります。これは、直射日光を遮ることで茶葉の中のテアニンを保持し、カテキンの生成を抑える栽培方法です。このため、渋みが少なく、うまみや甘みの強い味わいが楽しめる茶葉となります。碾茶のうちでも、最上級とされるものはすべて手摘みで行われ、極めて丁寧な管理のもとで生産されています。

碾茶に含まれる栄養成分と効果

碾茶は、他の緑茶と比較しても栄養価が高く、特にアミノ酸の一種であるテアニンの含有量が多いことが特徴です。

テアニンにはリラックス効果や集中力を高める作用があるとされており、日常の緊張を和らげたり、仕事や勉強前の一杯としても最適です。また、被覆栽培によりカテキンが抑えられることで、苦みが少なくまろやかな味わいとなり、胃への刺激が少ない点も魅力のひとつです。

さらに、碾茶にはビタミンCやカフェインも含まれており、抗酸化作用や覚醒作用が期待されます。これらの成分は茶葉をそのまま摂取する抹茶として用いた際に、より効率的に体内へ吸収されます。抹茶として碾茶を飲むことで、リラックスと集中の両方の効果を得られることが、古くから茶道文化において重用されてきた理由の一つでもあります。

碾茶の楽しみ方と活用シーン

碾茶自体は通常そのまま飲用されることは少なく、抹茶として粉末にしたものが一般的に消費されます。

ですが、碾茶のままでも軽く焙じて飲んだり、お茶漬けやお吸い物の香り付けに使われることもあります。また、和菓子や洋菓子の素材としても人気があり、特に高品質な抹茶を使ったスイーツは、国内外で高く評価されています。

さらに、碾茶を粉末にした抹茶は、ラテやスムージー、クッキーやケーキなど、さまざまな料理に活用される万能素材です。甘みのある抹茶ドリンクやデザートだけでなく、抹茶塩などの調味料にも展開されており、その需要は年々広がりを見せています。健康志向が高まる現代において、自然素材である碾茶の価値はますます見直されています。


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