釜炒り玉緑茶(かまいりたまりょくちゃ)

釜炒り玉緑茶の製茶工程
茶葉を蒸すことなく高温の釜で炒る工程を行い、玉緑茶同様に茶葉の形を整える精揉を行わず、回転するドラムによって乾燥させたお茶が釜炒り玉緑茶です。精揉工程がないので勾玉のようなぐりっとした形状をしており、釜で炒っていることから「カマグリ」と呼ばれることもあります。釜で炒ることによって発酵を止める方法は元々は中国の手法であり、15世紀前後に渡来してきた中国人から伝わったといわれています。
釜で炒っているので香ばしい香りを楽しむことができ、さっぱりとした口当たりで味わい深いのが特徴なのが釜炒り玉緑茶の魅力です。
玉緑茶と煎茶の違い
玉緑茶の製造方法は煎茶と途中までは同じです。 煎茶は茶葉をますぐにする精揉という工程があるのですが、玉緑茶にはこの工程がなく回っているドラムで形が勾玉のようになります。 玉緑茶の味はまろやかな旨味が特徴です。渋みはそこまでありませんので渋みは少ない方になります。 玉緑茶の色を煎茶と比較した場合には、水色が明るく感じる色をしています。茶葉の形を整える工程を精揉といいます。煎茶は茶葉をまっすぐにするために精揉をおこなっていますが、 玉緑茶も釜炒り玉緑茶もこの精揉という工程はおこなわれません。 回っているドラムの中で乾燥させて作られたお茶が釜炒り玉緑茶になります。
玉緑茶の産地
玉緑茶は、玉緑茶以外にも呼び名があり、ぐり茶、ムシグリと言われることもあります。 玉緑茶が主に生産されているのは九州になります。 九州の中でも佐賀県にあり、名産地の1つに数えられる嬉野が玉緑茶の生産地の代表になります。 九州の佐賀県嬉野以外で生産がよくおこなわれているのは、九州の熊本県です。 玉緑茶は緑茶の中では知っている人も少ないのですが、 知る人ぞ知るお茶してしばしば一品の1つにも数えられます。釜炒り玉緑茶の香ばしさと製法の魅力
釜炒り玉緑茶(かまいりたまりょくちゃ)は、名前の通り釜で炒る独特の製法を持つ日本茶の一種です。
通常の緑茶は茶葉を蒸すことで酸化酵素の働きを止めますが、釜炒り玉緑茶は蒸さずに高温の釜で一気に炒る「釜炒り製法」を用います。この技術は、15世紀頃に中国から伝わったとされる歴史ある手法で、日本では九州地方を中心に発展しました。
この製法により、香ばしく炒った香りが立ち上がり、味わいはすっきりとした爽やかさがありながらも、深みのある旨味が特徴です。また、製茶工程では煎茶にある"精揉(せいじゅう)"と呼ばれる茶葉を真っすぐに整える工程を省き、回転ドラムで乾燥させるため、茶葉が勾玉状にくるんと丸まった独特の形をしています。この形状から「カマグリ」と呼ばれることもあります。
玉緑茶との違いと飲みやすさ
釜炒り玉緑茶と蒸し製の玉緑茶(ぐり茶)は、いずれも精揉工程を行わないため、茶葉が丸みを帯びた形状となる点では共通していますが、決定的な違いは"加熱方法"にあります。蒸し製玉緑茶は茶葉を蒸してから乾燥させる一方で、釜炒り玉緑茶は生葉を直接釜で炒るため、仕上がりに香ばしさが加わります。
釜炒り玉緑茶は渋みが少なく、香ばしい香りが立ち上がることから、緑茶初心者にもおすすめです。また、水色(すいしょく)は透明感のある黄金色で、視覚的にも楽しめる一杯となります。
さっぱりとした味わいは、和菓子はもちろん洋菓子との相性も良く、食後の一杯にも最適です。緑茶の中でも少し変わった風味を楽しみたいという方に、ぜひ手に取っていただきたいお茶です。
九州の自然が育む香り高いお茶
釜炒り玉緑茶の主な産地は、九州地方の山間部。中でも佐賀県嬉野市や熊本県、宮崎県などが有名です。これらの地域は、澄んだ空気と豊かな水源に恵まれ、朝晩の寒暖差も大きいため、茶葉に旨味成分であるアミノ酸がしっかりと蓄積されやすい環境です。
また、釜炒り製法はほとんどが手作業で行われており、熟練した職人の技術と根気が必要です。炒り加減や乾燥の時間、温度管理など、ひとつひとつの工程に職人の経験と感覚が生かされており、機械だけでは生み出せない風味が宿ります。そのため、大量生産には向かず、比較的希少なお茶として知られています。
知る人ぞ知る「釜炒り玉緑茶」は、手間と時間をかけて丁寧に作られた、まさに日本茶の逸品です。香り、味、製法、すべてにこだわりが詰まった一杯を、ぜひご家庭でも味わってみてください。
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