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岡山県のお茶とは?美作番茶・作州番茶の産地と茶文化を解説

岡山県は、生葉収穫量573トン・荒茶生産量127トンを誇る茶産地です。しかし、「岡山茶」という名前を店頭で見かける機会は多くありません。その理由は、生産された茶葉の多くが荒茶の状態で県外へ出荷され、他産地の茶葉とブレンドされて製品化されるためです。産地としての歴史は江戸中期にさかのぼり、美作地区を中心に長年にわたってお茶づくりが続けられてきました。このコラムでは、岡山県の茶産地の特徴や番茶文化、各産地の取り組みについてご紹介します。

※このコラムでご紹介する岡山県産のお茶は、新緑園ではお取り扱いがございません。あくまでも産地情報のご紹介となります。あらかじめご了承ください。

岡山県の茶産地マップ

岡山県のお茶が表に出にくい理由

岡山県のお茶は、一定の生産量がありながらも、全国的な知名度は決して高くありません。その背景には、製品として流通する前段階である荒茶の多くが県外へ出荷されている現状があります。煎茶や番茶として仕上げる前の段階で他産地へ送られ、ブレンド原料として使われるケースが一般的です。

そのため、消費者の目に「岡山茶」として触れる機会が少なく、産地名が前面に出にくい構造が生まれています。一方で、安定した品質の茶葉を供給してきた歴史があることは事実であり、全国の茶産地を陰から支えてきた存在とも言えるでしょう。

岡山県の主な茶産地

海田茶(かいたちゃ)/美作市

県内最大の産地で、1862年に宇治の製茶技術を学んで栽培が始まりました。近代には輸出用としても栽培された歴史を持ちます。広義では周辺地域を含めて「美作茶」と呼ばれることもあります。

この地域では、美作番茶・作州番茶と呼ばれる番茶づくりも盛んです。また、発酵茶の一種である玄徳茶(源流は高知の碁石茶とされています)もこの地方で生産されており、独自の茶文化が根付いています。

富原茶(とみはらちゃ)/真庭市

山茶の自生地に端を発する産地です。約20年前から完全無農薬農法を実施しており、付加価値のある茶づくりに取り組んでいます。小規模ながら、自然環境を生かした栽培姿勢が特徴です。

美作地域に根付く番茶文化と製茶の系譜

岡山県北部の美作地域では、江戸中期以降、生活に寄り添うお茶文化が育まれてきました。作州番茶は日常飲用を目的とした素朴な味わいが特徴で、地域の暮らしと深く結びついています。煎茶とは異なる工程を含む場合もあり、土地ごとの工夫が積み重ねられてきました。

また、美作周辺では宇治から伝えられた製茶技術を基礎としながら、気候や原料に合わせた独自の改良が行われてきたとされています。派手さはないものの、長い年月をかけて培われた製茶の積み重ねが、この地域のお茶を形づくっています。

小規模産地が守る個性とこれからの可能性

岡山県内には、富原地区のように小規模ながら独自の取り組みを続ける産地も存在します。山茶の自生環境に由来する土地では、自然条件を生かした栽培が行われ、近年では無農薬栽培など付加価値を意識した動きも見られます。大量生産には向かないものの、作り手の顔が見えるお茶として、確かな支持を得る可能性を秘めています。

今後、岡山県のお茶が産地名とともに評価されていくためには、地域ごとの物語や背景を丁寧に伝えていくことが重要でしょう。静かに続いてきたお茶づくりが、改めて注目される土壌は整いつつあります。

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記事監修

日本茶専門店 新緑園 代表取締役 茶匠 黒木信吾 (茶審査技術 九段 / 全国茶品評会 農林水産大臣賞 4度受賞)

宮崎県新富町にて昭和30年創業の新緑園代表。全国茶審査技術競技大会で全国でも数少ない「九段」を取得。

  • 全国茶品評会 農林水産大臣賞 4度受賞
  • 国内外コンテストで多数受賞
  • 日本茶普及活動にも従事

岡山県の茶産地は美作地区を中心に江戸中期から続く歴史を持ちます。美作番茶・作州番茶など独自の番茶文化が根付く一方、生産された茶葉の多くは荒茶として県外へ出荷されブレンド原料となるため、「岡山茶」として市場に出る機会は少ない傾向があります。富原地区では無農薬栽培など付加価値ある取り組みも見られ、今後の注目が期待される産地です。

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