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徳島県のお茶を知る|阿波晩茶・歩危銘茶・寒茶まで産地別に解説

徳島県は、全国的にも珍しい乳酸発酵茶「阿波晩茶」をはじめ、山間部で育まれた煎茶、冬の寒さを活かした寒茶など、個性豊かなお茶が各地で生産されている産地です。生葉収穫量は721トン、荒茶生産量は152トン。煎茶の主な産地は三好市の山間部と那賀町相生で、発酵茶や寒茶といった特有の製法のお茶も広く知られています。このコラムでは、徳島県の代表的なお茶をひとつひとつご紹介します。

徳島県の日本茶産地マップ

※このコラムでご紹介するお茶は、新緑園ではお取り扱いがございません。あくまでも産地のご紹介となります。悪しからずご了承ください。

阿波晩茶に代表される徳島独自の乳酸発酵茶文化

徳島県の茶文化を語る上で欠かせない存在が、全国的にも極めて珍しい発酵茶である阿波晩茶です。那賀町や上勝町を主な産地とするこのお茶は、一般的な番茶とはその製法が大きく異なります。夏に摘み取った大きな茶葉を茹でてから木桶に詰め、乳酸菌の力で数週間ほどじっくりと発酵させて作られるのが特徴です。この独自の工程を経ることで、他の日本茶にはない爽やかな酸味とすっきりとした後味が生まれます。

かつては「阿波番茶」と表記されることもありましたが、現在は一般的な番茶とは使用する茶葉や製法が異なるため、「阿波晩茶」と書くことが一般的になりつつあります。乳酸発酵茶としての独自性が広く認識されるようになった背景には、こうした製法の違いを明確にしようとする産地の取り組みがあります。

相生番茶(あいおいばんちゃ)|那賀町相生

徳島県相生地域で生産される阿波番茶です。地域の伝統的な発酵製法を守りながら、今も生産が続けられています。

神田茶(じでんちゃ)|上勝町

霊峰剣山から流れる清流が潤す自然豊かな上勝町に古くから伝わるお茶で、阿波晩茶の中でも最高級品とされています。長寿の里として知られるこの地域の暮らしに深く根ざした、歴史ある一品です。

山間部が育む香り高い歩危銘茶と相生煎茶

徳島県の山間部は、急峻な地形と豊かな水源に恵まれた煎茶の産地としての側面も持っています。県内最大の産地である三好市山城町では、景勝地として知られる大歩危周辺の自然環境を活かした歩危銘茶の生産が盛んです。渋みや苦味が少なく、どこか懐かしさを感じさせる味と香りが特徴とされています。

歩危銘茶(ぼけめいちゃ)|三好市山城町

徳島県内最大の産地である三好市山城町のうち、大歩危周辺で生産される煎茶です。冷涼な急傾斜地で栽培されることで、豊かな香りと優しい味わいが生まれるとされています。

相生茶(あいおいちゃ)|那賀町相生

相生地区で生産される煎茶で、徳島県内で最も早く摘採が行われる産地として知られています。寒茶や番茶産地と区別するため、「相生煎茶」と銘されることもあります。

厳しい寒さを活かした宍喰・木頭の寒茶と伝統製法

四国山地の寒冷な気候を活かした独自のお茶作りも、徳島県が誇る大切な伝統文化のひとつです。冬の最も冷え込む時期に収穫を行う寒茶は、海陽町の宍喰地区や那賀町の木頭地区で、今も少量ながら大切に生産されています。

宍喰寒茶(ししくいかんちゃ)|海陽町宍喰

冬の寒い時期に海陽町の集落で少量生産されるお茶です。寒気の中で育った茶葉ならではの、素朴で滋味深い味わいが特徴とされています。

木頭寒茶(きとうかんちゃ)|那賀町木頭

那賀町木頭地区で生産されるお茶で、日干しして寒気にさらす独特の工程を経て仕上げられます。また、木頭地区では伝統的な釜炒り茶も作られており、鉄釜で茶葉を炒ることで生まれる香ばしい釜香も楽しめます。

生葉収穫量721トンという限られた規模の中に、煎茶・発酵茶・寒茶・釜炒り茶と多様なお茶が共存しているのが徳島茶の奥深さです。それぞれの産地が守り続けてきた個性豊かな味わいは、知れば知るほど新しい発見に満ちています。

日本茶の産地や製法について、もっと知りたい方へ

徳島県のお茶のように、日本各地には地域ごとに異なる製法や風味を持つお茶が数多く存在します。煎茶・ほうじ茶・釜炒り茶など、製法の違いによって生まれる味わいの個性を、ぜひ飲み比べてみてください。宮崎県産の日本茶を中心に取り扱う新緑園では、産地にこだわったお茶をご用意しています。

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記事監修

日本茶専門店 新緑園 代表取締役 茶匠 黒木信吾 (茶審査技術 九段 / 全国茶品評会 農林水産大臣賞 4度受賞)

宮崎県新富町にて昭和30年創業の新緑園代表。全国茶審査技術競技大会で全国でも数少ない「九段」を取得。

  • 全国茶品評会 農林水産大臣賞 4度受賞
  • 国内外コンテストで多数受賞
  • 日本茶普及活動にも従事

徳島県は、乳酸発酵茶の阿波晩茶をはじめ、山間部で育まれた歩危銘茶・相生煎茶、冬の寒さを活かした宍喰寒茶・木頭寒茶、さらに釜炒り茶まで、多彩な製法のお茶が共存する産地です。それぞれの地域が守り続けてきた個性豊かな味わいと、日本茶の奥深い文化をご紹介します。ぜひ毎日のお茶時間にお役立てください。

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