お茶の香り成分
お茶の香りをかぐと、ホッとする気持ちになりませんか。緑茶の中には、約300種類もの香気成分があります。また、同じお茶でも摘採方法や製法によって全く違う香りを楽しむことができます。ここでは代表的なお茶の香り成分について、ご紹介いたします。
青葉アルコール(生茶葉の香り)
青葉アルコールの香りは、木の葉や草の葉をちぎったときに感じる植物特有の青臭い香りのことです。芝を刈った後や、草刈りの後などによく感じるかと思いますが、気持ちをおだやかにするリラックス効果があり、疲労回復や集中力アップにも効果があります。青葉アルコールの匂いを嗅ぐと、単純作業を続けた場合でも作業効率が落ちにくくなるそうです。
リナロール
「リナロール」はフルーティーですずらんの花のような香りがする成分です。アロマオイルの世界ではリラックスの代名詞「イランイラン」「ネロリ」「ラベンダー」などにも含まれます。やさしく感じる花のような香りは癒やしをもたらす効果があり、集中力アップになったり、鎮静、血圧降下、抗不安作用があります。
ゲラニオール
「ゲラニオール」はバラのような香りで、ローズオイルの主成分となっており、抗菌、抗不安、皮膚弾力回復などの働きがあります。また、女性ホルモンの分泌に関わりの深い物質で、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌を助けます。
火香(ひか)
お茶の香りには大きく二種類あって、一つは上に挙げた様なお茶本来の香りで、もう一つは火香と呼ばれるものがあります。
火香とは製茶の最終工程でお茶を乾燥させるための火入れをするのですが、その際に醸し出される香ばしい香りのことです。熱を加えることで50種類以上の成分が生成され独特の甘い香りが生まれます(ピラジン類、ピロール類など)。
火を強く入れると香ばしさや甘い香りが増しますが、新茶のような新鮮な「青臭み」は減っていきます。一般的にお茶のランクが下がると生葉の香りも弱くなっていくため、火香を強く付ける傾向があります。また、お茶の種類や季節、職人さんのこだわりなどによっても火入れの仕方が違い、それがお茶の香りの個性のひとつとなっています。
ピラジン は、火入れをした時にできる香り成分で、緑茶にも含まれていますが、緑茶よりさらに火を強く入れるほうじ茶は、この「ピラジン」が豊富です。「ピラジン」はピーマンなどの黄緑色野菜や、納豆や麦茶、コーヒーやかつお節などにも含まれこちらも心を落ち着かせたり、リラックス効果があります。
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