キーモンについて


祁門紅茶(キームンこうちゃ、きもんこうちゃ)は中華人民共和国安徽省祁門県でつくられる紅茶で、日本では「キーマン」「キームン」「キーモン」などとよばれており、中国十大銘茶のひとつです。「紅茶のブルゴーニュ酒」と称されることもあり、インドの「ダージリン」、スリランカの「ウバ」とならび世界三大銘茶の1つとされています。

外観は細く美しく整った条形の茶葉で、色沢は艶のある黒色、上級茶には黄金色のティップが混ざっています。よく締まった茶葉は容易に開かずまたそのことが質の良いことの証明でもあります。そのため蒸らし時間は5分又はそれ以上を要します。水色は鮮やかな赤で、滋味は穏やかで柔らかくほのかな甘みがあり、香味は蘭の花の香りを内蔵するといわれています。 また果物の香りや甘い糖蜜の香りも漂います。

一般的にはできたばかりの新茶よりも半年から1年ほど経過した方が味香りをさらに発揮させます。これは香気成分などが貯蔵により増加することと密接な関係があるといわれています。

キーモンの産地と歴史的背景

キーモン紅茶の故郷である中国・安徽省祁門県は、黄山の南に位置し、山岳地帯の清らかな水と冷涼な気候が紅茶栽培に適した土地です。祁門紅茶の製造は19世紀後半に始まり、それ以前は緑茶が主流だった地域でした。しかし、世界的に紅茶の需要が高まったことを受け、1875年に紅茶の製造技術が導入され、以降キーモン紅茶の名は世界中に広がりました。

キーモン紅茶は、長い歴史を持つだけではなく、その香り高さと繊細な味わいが国際的にも評価されており、英国王室に献上されたことでも知られています。また、ダージリンやウバと並んで世界三大銘茶としての地位を確立し、特にヨーロッパではストレートティーとして楽しまれることが多く、その香りを最大限に引き出すためにゆっくりと時間をかけて抽出されます。

キーモンの香りと味わいの特徴

キーモン紅茶の最大の魅力は、なんといってもその香りにあります。蘭の花のようなフローラルな香気をもち、「キーモン・アロマ」と呼ばれるこの特有の香りは、他の紅茶にはない優雅さを漂わせます。さらに、果実のような甘酸っぱさや、蜂蜜のようなまろやかな甘さを感じることができ、飲み進めるごとに奥深さと美味しさが広がります。

茶葉は細く締まった黒褐色で、上質なものには金色のティップ(若い芽の部分)が含まれています。このティップが、まろやかなコクと高貴な香りを生む重要な要素です。水色(すいしょく)は澄んだ赤みを帯びた琥珀色で、視覚的にも楽しめるお茶といえるでしょう。また、収穫から半年から1年ほど経つことで香りが熟成され、より芳醇な味わいになるとされており、茶通の間では「熟成を楽しむ紅茶」としても親しまれています。

キーモン紅茶の楽しみ方とおすすめの淹れ方

キーモン紅茶を最大限に楽しむためには、ゆっくりとした抽出がポイントです。茶葉がしっかりと締まっているため、蒸らし時間を長めに設定することが推奨されます。具体的には、95℃前後のお湯を使い、5分以上じっくりと抽出することで、豊かな香りと深いコクが引き出されます。

基本的にはストレートで飲まれることが多いですが、キーモンのまろやかな味わいはミルクティーにもよく合います。特に冬場などは温かいミルクと合わせることで、よりリッチな飲み口を楽しむことができます。また、スイーツとの相性も抜群で、バターを使った焼き菓子やチョコレートなど、香りや甘みのあるお菓子と合わせることで、紅茶の風味が一層引き立ちます。

キーモン紅茶は、日常のひとときを贅沢に演出してくれる一杯。芳醇な香りと優雅で美味しい味わいをぜひ一度、じっくりと味わってみてはいかがでしょうか。


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