茶樹と品種について

茶の学名はCamellia sinensis(L.)O.Kuntzeといい、ツバキ科に属する常緑の低木です。緑茶も紅茶も烏龍茶も、同じお茶の樹の新芽を摘んで加工したものですが、その加工方法が大きく異なります。発酵方法の違いにより、その製法に最適な品種は異なります。日本の緑茶は基本的に中国種に分類されます。

◆品種による分類と用途
・中国種(日本茶向き)
葉が小さくて丸く、潅木(かんぼく...低木)で寒さに強い
主に不発酵茶や半発酵茶用に栽培される。日本・中国に多い 「やぶきた」は中国種。


・アッサム種(紅茶向き)
葉が大きくて先が尖り、喬木(きょうぼく...高木)で寒さに弱い
インド・スリランカ・インドネシア・アフリカ諸国などを中心に紅茶用として栽培されている。


・アッサム雑種
中国種とアッサム種の中間種
日本でも紅茶用品種として栽培されていた。

日本における代表的な品種「やぶきた」とその特徴

日本の緑茶といえば、まず挙げられるのが「やぶきた」でしょう。1927年に静岡県で選抜された品種で、現在では日本全国の茶園の約7割を占めるほど広く普及しています。「やぶきた」は中国種に分類され、寒さに強く、香りと味のバランスに優れた万能型の品種です。

煎茶や深蒸し茶、玉露など、さまざまな製法に適しているため、日本茶の品質を支える重要な存在となっています。すっきりとした旨みと程よい渋み、そして鮮やかな緑の水色が特徴で、どの産地でも安定した品質が得られるのが強みです。日本茶の定番と呼ばれる理由には、育てやすさと味わいの完成度の高さがあります。

個性豊かな新しい品種たち

近年では、気候変動への対応や地域の特色を生かすため、多様な新品種が次々に誕生しています。たとえば、甘みと香りが際立つ「さえみどり」や、まろやかで渋みの少ない「あさつゆ」、爽やかな香気が特徴の「おくみどり」などが人気です。また、鹿児島県や宮崎県では早生品種が多く栽培され、温暖な気候を生かした茶づくりが進んでいます。

これらの新しい品種は、同じ緑茶でも香りや味わいが異なり、飲み比べを楽しむこともできます。お茶の世界は今も進化を続けており、生産者の努力によって、新しい「日本茶の顔」が次々と生まれているのです。

品種が変えるお茶の味と香り

茶樹の品種は、まるでワインのブドウの品種のように、お茶の味や香りを大きく左右します。旨みを強調したい場合はアミノ酸を多く含む品種を、香ばしさを楽しみたい場合は焙煎向きの品種を選ぶなど、目的に応じた茶葉づくりが行われています。

また、同じ品種でも育つ環境や標高、土壌によって味の印象が変わるのもお茶の奥深さです。日本では現在、約120種類以上の登録品種が存在し、それぞれが地域の個性を反映しています。お茶を選ぶとき、「産地」だけでなく「品種」にも注目してみると、より豊かな日本茶の魅力に出会うことができるでしょう。


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