スリランカ紅茶(セイロンティー)の産地と特徴を解説
「セイロンティー」という名前を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。スリランカは世界第3位の茶葉生産国であり、茶葉輸出量では世界第1位を誇ります。同じスリランカ産でも、栽培される標高や地域によって風味が大きく異なるのが特徴です。このコラムでは、スリランカ紅茶の主要産地とそれぞれの個性、そして日本での楽しみ方についてご紹介します。
スリランカ紅茶とは?基本情報
スリランカでは年間約33万トンの茶葉が生産されており、その多くが世界各国へ輸出されています。スリランカ産の紅茶は総称して「セイロンティー」と呼ばれ、インド産の紅茶と比べるとよりマイルドな風味を持つとされています。
産地は大きく3つの標高帯に分けられます。
- ハイグロウン(高地産茶):中央部山岳地帯の高地で栽培。香り高く爽やかな味わいが特徴。
- ミディアムグロウン(中地産茶):古都キャンディ周辺の中地で栽培。クセが少なく日常使いに向く。
- ローグロウン(低地産茶):スリランカ南部の低地で栽培。深みのあるコクと濃厚な味わいが特徴。
この標高の違いが、各産地の個性豊かな風味を生み出しています。
主要産地と各茶葉の特徴
ウバ(Uva)
スリランカ南東部の高地に位置するウバ地区の紅茶は、ダージリン・祁門(キーモン)と並ぶ「世界三大銘茶」のひとつに数えられます。毎年8〜9月にクオリティシーズンを迎え、最上質の茶葉が収穫されます。メンソールに似た爽快感のある「ウバフレーバー」と呼ばれる独特の香り、明るい赤色の水色、ぴりっとした渋みが特徴です。ストレートでその香りと渋みをじっくり味わうのがおすすめです。
ヌワラエリア(Nuwara Eliya)
スリランカ中央山岳部の最高地に位置する高地産茶(ハイグロウン)です。明るいオレンジがかった水色、豊かな香り、緑茶に似た渋みが特徴です。クオリティシーズン(1〜2月)に収穫された茶葉は、花のような華やかな香りを持つとされています。
ディンブラ(Dimbula)
スリランカ中央山岳地帯の南西斜面に位置する高地産茶地区です。毎年2〜3月にクオリティシーズンを迎えます。クセがなく渋みが少ない、明るい赤色の水色はセイロン紅茶の代名詞ともいわれています。飲みやすさから、紅茶の入門としても親しまれています。
ウダプセラワ(Udapussellawa)
スリランカ中央山岳地帯のヌワラエリアの東に位置する茶園地区です。花のような芳醇な香りと、明るく濃いオレンジ色の水色、クセのない味わいが特徴です。
キャンディ(Kandy)
スリランカの古都キャンディ周辺に位置する中地産茶(ミディアムグロウン)です。濃いめの明るい赤色の水色で、クセがなく渋みの少ない味わいが特徴です。ミルクティーやアイスティーにも適しており、料理やスイーツとの相性も良いとされています。
ルフナ(Ruhuna)
スリランカ南部の低地産茶(ローグロウン)です。深い赤色の水色と濃厚な味わいが特徴で、ミルクティーにもよく合います。
クオリティシーズンと紅茶の楽しみ方
スリランカ紅茶の魅力のひとつが、産地ごとに異なる「クオリティシーズン」の存在です。気候条件が整うこの時期に収穫された茶葉は、香りや風味が格別とされています。
- ウバ:8〜9月
- ディンブラ:2〜3月
- ヌワラエリア:1〜2月
紅茶愛好家の間では、クオリティシーズンごとに茶葉を買い求め、飲み比べを楽しむ方も多くいます。同じスリランカ産でも産地によって個性が大きく異なるため、飲み比べることで新たな発見があるのもセイロンティーの魅力です。
日本で親しまれるスリランカ紅茶
日本においても、スリランカ紅茶は古くから広く飲まれてきました。セイロンティーはクセが少なく飲みやすいため、紅茶の入門としても親しまれています。ティーバッグや業務用としても利用されることが多く、家庭やカフェ、レストランなど幅広いシーンで活用されています。
また、最近では健康志向の高まりから、無農薬やオーガニックのスリランカ紅茶も注目を集める傾向があります。ストレートティーとして香りを楽しむのはもちろん、ミルクティーやアイスティー、スイーツとのペアリングなど、さまざまな楽しみ方ができるのもスリランカ紅茶の特徴です。
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記事監修
日本茶専門店 新緑園 代表取締役 茶匠 黒木信吾 (茶審査技術 九段 / 全国茶品評会 農林水産大臣賞 4度受賞)
宮崎県新富町にて昭和30年創業の新緑園代表。全国茶審査技術競技大会で全国でも数少ない「九段」を取得。
- 全国茶品評会 農林水産大臣賞 4度受賞
- 国内外コンテストで多数受賞
- 日本茶普及活動にも従事
スリランカは世界第3位の茶葉生産国であり、「セイロンティー」として親しまれる紅茶の一大産地です。ウバ・ヌワラエリア・ディンブラなどの高地産茶から、キャンディ・ルフナといった中低地産茶まで、産地ごとに異なる風味と個性を持ちます。クオリティシーズンには格別の香りと味わいが楽しめ、飲み比べる楽しさも魅力のひとつです。
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