急須で茶葉から淹れるお茶の魅力|ペットボトルとの違いや美味しい淹れ方のコツ

「急須を洗うのが面倒」「すぐに飲めない」「ペットボトルで十分」??そんな声をよく耳にするようになりました。急須や茶こしのないご家庭も増え、ペットボトルやティーバッグのお茶が日常の定番になりつつあります。
しかし、急須で茶葉から丁寧に淹れるお茶には、手軽さでは得られない本物の魅力があります。味わいの豊かさ、栄養成分の違い、そして一杯を淹れる時間そのものがもたらすゆとり。このコラムでは、急須で淹れる日本茶の魅力を改めてご紹介します。
ペットボトルのお茶と急須で淹れるお茶、何が違うの?
美味しさが格段に違う
急須で淹れるお茶は手間がかかりますが、ペットボトルや缶の緑茶飲料とは比べ物にならないほど豊かな味わいが楽しめます。
急須で淹れるお茶の"揺らぎ"がおもしろい
ペットボトルや缶の緑茶飲料は、味が一定していることが品質のひとつです。しかし急須は違います。
季節や天気、朝昼夜の時間帯、飲む場所など、環境が変われば淹れるお茶も変化します。急須で淹れるお茶には、自然な「揺らぎ」があります。
その揺らぎを活かし、同じ茶葉でも温度や茶器、淹れ方を変えることで、味や香り、コク、旨みを自分好みに調整できます。
- 熱めのお湯で淹れると、渋みのしっかりしたお茶に
- 湯冷ましで淹れると、甘みと旨みを感じるまろやかなお茶に
- 急須に氷と茶葉を入れてゆっくり溶かす「氷出し」なら、旨みが凝縮した濃厚なお茶に
湯量・茶葉量・茶器・水の違いによっても味は変わります。その時だけの一期一会のお茶を楽しめるのが、急須で淹れる醍醐味と言えるでしょう。
お茶の淹れ方には基本があります。基本を覚えたら、自分流にアレンジしたり、急須や茶器によって淹れ方を変えたりする楽しみ方もあります。
お茶屋直伝「美味しいお茶の淹れ方」はこちら↓
急須で淹れるお茶は栄養成分が違う
急須で淹れるお茶には、「甘み・旨み」を感じるアミノ酸(テアニン)、「渋み」を感じるカテキン(タンニン)、カフェイン、ビタミン類などの成分が豊富に含まれています。
静岡県環境衛生科学研究所の調査によると、ペットボトルのお茶と比較した場合、急須で淹れたお茶には以下のような差があるとされています。
- テアニン:約4.1倍
- タンニン:約5.5倍
- カフェイン:約2.5倍

急須でお茶を淹れると、茶碗の底に細かい茶葉が沈殿します。この沈殿物にこそ、お茶の栄養成分が豊富に含まれているとされています。
一方、ペットボトルや缶の緑茶飲料を製造する際には、日持ちや見た目の問題から沈殿物をすべて除去します。そのため失われた成分を補うために「緑茶抽出物」が添加され、さらに酸化による色の変化を防ぐためにビタミンC(アスコルビン酸)も添加されます。
つまり、急須で淹れたお茶とペットボトルのお茶は、味だけでなく栄養成分の質においても大きく異なると言えます。
急須で淹れる日本茶の魅力を、改めて
味わい・香り・時間、そのすべてが豊かに
急須で淹れる日本茶は、ただの「飲み物」ではありません。お湯を沸かし、茶葉を選び、じっくりと湯を注ぎ、立ち上る湯気の中に香りが漂う??この一連の所作そのものが、日常にゆとりと丁寧さをもたらしてくれます。
また、日本茶には人と人をつなぐ力もあります。家族や友人とお茶を囲む時間は、ただの水分補給では得られない「和み」や「ぬくもり」を生み出します。日本茶をきっかけに会話が引き出されるような、心をほぐす力があるのです。
急須で淹れる日本茶は、五感で楽しむ「食文化」
お茶はただ「淹れて飲む」だけではなく、見て、香って、味わい、感じる??五感で楽しむ日本の食文化のひとつです。
茶葉が湯の中で開き、色が変わり、香りが立ち上る。そんな細やかな変化に気づけるのも、急須で淹れるお茶ならではの趣と言えるでしょう。急須を使うことで茶葉のポテンシャルを最大限に引き出すことができ、旨み・甘み・渋み・香りのバランスを自分好みに調整できます。
「今日は疲れているから、まろやかに」「スッキリしたいから、熱めで」??その日の気分や体調に合わせたお茶づくりができるのも、急須ならではの楽しさです。
ティーバッグも進化しています
ティーバッグのお茶は近年、品質が大きく向上しています。「安くて美味しくない」という固定概念は昔の話。メッシュの質も上がり、中身の茶葉にこだわった商品も多く登場しています。急須で淹れたお茶に匹敵するほどの美味しいティーバッグも存在します。
水筒にポンと入れて出かければ、じわじわと旨みが広がり、美味しいお茶が楽しめます。また、使い終わったティーバッグを食器洗いやお掃除に活用したり、急須で淹れた後の茶葉を「おひたし」や「ふりかけ」として食べることで、栄養を余すことなく摂り入れることもできます。
ペットボトルから切り替えることで、脱プラ・SDGsにもつながります。時代のニーズに合わせて、お茶の楽しみ方も多様化しています。

日本茶文化を未来へつなぐために
「美味しいお茶を飲みたいけれど、なかなか上手く淹れられない」「温度や分量が面倒そう」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし本来、お茶は日々の疲れを癒し、くつろぎや和みをもたらすものです。美味しく淹れるコツは、一度覚えてしまえば難しくありません。
急須がない、淹れ方が分からないという方には、初心者でも簡単に美味しく淹れられるコツや、おすすめの茶器もご紹介しています。まずは1杯、ゆっくりお茶を淹れてみませんか?
急須から注がれた一杯のお茶が、あなたの暮らしにやさしさと豊かさを運んでくれるはずです。敷居が高いな、難しいなと感じた時は、ぜひ新緑園スタッフへお気軽にご相談ください。丁寧にお茶の淹れ方・楽しみ方をお伝えします。
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記事監修
日本茶専門店 新緑園 代表取締役 茶匠 黒木信吾 (茶審査技術 九段 / 全国茶品評会 農林水産大臣賞 4度受賞)
宮崎県新富町にて昭和30年創業の新緑園代表。全国茶審査技術競技大会で全国でも数少ない「九段」を取得。
- 全国茶品評会 農林水産大臣賞 4度受賞
- 国内外コンテストで多数受賞
- 日本茶普及活動にも従事
急須で茶葉から淹れる日本茶は、ペットボトルのお茶と比べて旨み成分テアニンや渋み成分タンニンが数倍多く含まれるとされています。温度や茶葉量を変えることで味わいを自在に調整できるのも急須ならではの魅力です。新緑園では、煎茶をはじめ初心者向けのおためしセットや透明急須など、日本茶を楽しむためのアイテムを取り揃えています。
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