【日本ツアコラム】長野県の紅茶

うまいんだに
長野県のJAみなみ信州が生産し、販売する国産紅茶の名称。
飯田市南信濃で栽培されているやぶきた茶の二番茶の高付加価値化の目的で開発。
そのため葉は緑茶・紅茶の兼用品種で、新茶は「赤石銘茶」として緑茶にされる。
販売開始は2003年9月。開発に当たっては、生産者が紅茶の本場スリランカで研修も実施している。
茶葉は、黒系で縒りは少ない。二番茶の加工品のためか茎も目立つが、控えめな渋みとほのかな甘味に加えて、香りはさわやかで、澄んだきれいなオレンジ色の紅茶になり、ストレートティーに適している。
国産の紅茶は生産量が少なく、「南アルプスの紅茶」として、地域の特産品となった。当該紅茶を原料とした「紅茶クッキーうまいんだに」(はと錦)という菓子も販売されている。
「うまいんだに」とは、飯田地方の方言で、「美味しいんですよ」の意。
長野県といえば信州そばや林檎のイメージが強いですが、南信州の飯田地方では、その厳しい自然環境を活かした独自の「和紅茶」作りが行われています。元文章で紹介された「うまいんだに」の背景をさらに深掘りし、その産地の特性や製法、楽しみ方について3つの視点から詳しく解説いたします。
南信州の豊かな自然が育む「南アルプスの紅茶」の産地背景
南信州に位置する飯田市南信濃地区は、聖岳(ひじりだけ)などの険しい山々に囲まれた「遠山郷(とおやまごう)」として知られる地域です。この地は標高が高く、昼夜の寒暖差が激しい山間地特有の気候を有しており、古くから良質なお茶の産地として親しまれてきました。元文章で触れた「赤石銘茶」という名称も、この地にそびえる赤石山脈(南アルプス)に由来しています。急な斜面に広がる茶畑では、厳しい冬を越えた茶樹が力強い芽を蓄え、独特の芳醇な香りを育む土壌があります。
また、南信濃の澄んだ空気と清らかな水は、茶葉の繊細な風味を際立たせる重要な要素となっています。こうした厳しい自然環境の中で育つからこそ、力強さと優しさを兼ね備えた独特の味わいが生まれるのでしょう。長野県内でもお茶の栽培北限に近いとされるこのエリアにおいて、生産者の方々は地形の利を最大限に活かした茶作りに取り組んでいます。南アルプスの雄大な景色を背景に育つ茶葉は、まさに信州の風土を凝縮した逸品といえます。
「やぶきた」の二番茶を活用した独自の製法と品質へのこだわり
一般的に日本の茶園では緑茶用として「やぶきた」という品種が広く栽培されていますが、この品種の二番茶を紅茶へと加工する試みは非常に興味深い取り組みです。2003年の販売開始に先立ち、生産者の方々が紅茶の本場であるスリランカを訪れて技術を学んだ経験は、現在の品質を支える大きな基盤となりました。二番茶は一番茶に比べてカテキンが多く含まれる傾向にあり、それが発酵を経て心地よい渋みと鮮やかなオレンジ色の水色(すいしょく)を生み出す源になっています。
製造工程においては、茶葉の持つ本来の香りを損なわないよう、丁寧な萎凋(いちょう)と発酵の管理が行われています。黒系で縒(よ)りが少ないという茶葉の特徴は、素材の良さをそのまま活かそうとするこだわりの表れとも受け取れるでしょう。茎が混じることで生まれる独特のまろやかさも、この紅茶ならではの個性として愛好家の間で高く評価されています。緑茶の栽培技術を基礎としながら、海外での研修成果を融合させた独自の紅茶作りが、今もなお続けられています。
地元に愛される「うまいんだに」の楽しみ方と広がる地域交流
「うまいんだに」という親しみやすいネーミングには、地元の言葉で美味しさを共有したいという生産者の温かな想いが込められています。この紅茶は控えめな渋みが特徴であるため、まずはストレートティーでその澄んだ香りとほのかな甘味を堪能するのが最も推奨される飲み方です。朝の目覚めの一杯や、午後のリラックスタイムにふさわしい爽やかさを備えており、日常のあらゆるシーンに馴染みます。地域の集まりなどでも振る舞われ、人々の交流を彩る飲み物として定着してきました。
さらに、地元菓子店「はと錦」が製造する「紅茶クッキーうまいんだに」のように、茶葉の風味を活かした加工品も展開されており、お土産としても高い人気を博しています。お菓子を通じて紅茶の存在を知る方も多く、地域ブランドとしての認知は年々広がっているのが現状です。JAみなみ信州を中心としたこうした六次産業化の取り組みは、地域の活性化にも大きく貢献しています。長野県が誇る和紅茶は、一杯のティーカップを通じて、信州の温かな文化を全国へと発信し続けているのです。

宮崎和紅茶(茶葉)80g
648円(税込
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