一番茶は、その年に最初に摘まれる新芽から作られるお茶で、「新茶」とも呼ばれます。摘採時期は地域により異なりますが、一般的には4月下旬から5月上旬にかけて行われます。この時期の茶葉は、冬の間に茶の木が蓄えた栄養をたっぷりと含んでおり、味・香り・色のすべてにおいて最高級とされています。
一番茶には、うま味成分であるアミノ酸の一種「テアニン」が豊富に含まれており、逆に渋みや苦味のもととなる「カテキン」や「カフェイン」は比較的少なめです。このバランスが、一番茶特有のまろやかで深みのある味わいを生み出しています。
さらに、新芽ならではの若々しく爽やかな香りも魅力で、まさに五感で楽しめる一杯と言えるでしょう。
一番茶の収穫後、6月から8月にかけて摘まれるのが二番茶・三番茶です。これらは同じ茶の木から収穫されるものの、生育期間が短くなるため、栄養の蓄積量が一番茶よりも少なくなります。そのため、テアニンの含有量は減少し、カテキンやカフェインが多くなる傾向にあります。これにより、渋みや苦味が強く感じられるお茶になります。
味や香りの点では一番茶に劣るとされますが、濃厚な味を好む方には二番茶・三番茶の力強い風味が好まれます。また、価格も比較的手ごろなため、日常的なお茶や業務用としても広く活用されています。粉茶や茎茶などの出物も多く、この時期のお茶は加工用原料としても価値があります。
三番茶以降の摘採をあえて行わず、じっくりと栽培を続け、秋の訪れとともに収穫されるのが「秋冬番茶(しゅうとうばんちゃ)」です。摘採時期は9月下旬から10月上旬ごろとされており、茶の木が長く栄養を蓄えた状態で育った茶葉を使用するため、三番茶に比べて味や香りがしっかりしているのが特徴です。
秋冬番茶は、やや大きめでしっかりとした葉を用いるため、風味はさっぱりとしながらも、渋みが少なくまろやかです。高温で淹れても渋くなりにくいため、手軽に美味しいお茶を楽しむことができます。近年では、健康志向やカフェイン控えめ志向の高まりにより、秋冬番茶のやさしい味わいが再評価されています。
・季節のお茶
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