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茶樹と品種について|緑茶・紅茶・烏龍茶の違いから「やぶきた」まで解説

緑茶も紅茶も烏龍茶も、実はすべて同じ「茶樹」の新芽から作られています。それぞれの味わいや香りの違いを生み出すのは、加工方法の違いと、茶樹の「品種」です。このコラムでは、茶樹の学名や分類から、日本茶を代表する品種「やぶきた」の特徴、近年注目される新品種まで、日本茶の基礎知識をわかりやすくご紹介します。お茶選びの参考にぜひお役立てください。

茶樹とは?学名と植物としての特徴

茶の学名はCamellia sinensis(L.)O.Kuntzeといい、ツバキ科に属する常緑の低木です。緑茶・紅茶・烏龍茶はすべて同じ茶樹の新芽を摘んで加工したものですが、その製法が大きく異なります。発酵の度合いによって製法が変わり、それぞれの製法に適した品種も異なります。日本の緑茶は基本的に「中国種」に分類されます。

品種による分類と用途

茶樹の品種は大きく3つに分類されます。それぞれの特徴と主な用途をまとめました。

中国種(日本茶向き)

  • 葉が小さくて丸く、潅木(かんぼく=低木)タイプ
  • 寒さに強く、日本・中国に多く分布
  • 主に不発酵茶(緑茶)や半発酵茶(烏龍茶)用として栽培される
  • 日本茶の代表品種「やぶきた」は中国種に分類される

アッサム種(紅茶向き)

  • 葉が大きくて先が尖り、喬木(きょうぼく=高木)タイプ
  • 寒さに弱く、温暖な気候を好む
  • インド・スリランカ・インドネシア・アフリカ諸国などで紅茶用として広く栽培されている

アッサム雑種

  • 中国種とアッサム種の中間にあたる品種
  • 日本でも紅茶用品種として栽培されていた時期がある

日本における代表的な品種「やぶきた」とその特徴

日本の緑茶といえば、まず挙げられるのが「やぶきた」でしょう。1927年に静岡県で選抜された品種で、現在では日本全国の茶園の約7割を占めるほど広く普及しています。「やぶきた」は中国種に分類され、寒さに強く、香りと味のバランスに優れた万能型の品種です。

煎茶や深蒸し茶、玉露など、さまざまな製法に適しているため、日本茶の品質を支える重要な存在となっています。すっきりとした旨みと程よい渋み、そして鮮やかな緑の水色が特徴で、どの産地でも安定した品質が得られるのが強みです。育てやすさと味わいの完成度の高さが、日本茶の定番と呼ばれる理由のひとつといえるでしょう。

個性豊かな新しい品種たち

近年では、気候変動への対応や地域の特色を生かすため、多様な新品種が次々に誕生しています。たとえば、甘みと香りが際立つ「さえみどり」、まろやかで渋みの少ない「あさつゆ」、爽やかな香気が特徴の「おくみどり」などが人気です。また、鹿児島県や宮崎県では早生品種が多く栽培され、温暖な気候を生かした茶づくりが進んでいます。

これらの新しい品種は、同じ緑茶でも香りや味わいが異なり、飲み比べを楽しむこともできます。お茶の世界は今も進化を続けており、生産者の努力によって新しい「日本茶の顔」が次々と生まれています。

品種が変えるお茶の味と香り

茶樹の品種は、まるでワインのブドウ品種のように、お茶の味や香りを大きく左右します。旨みを強調したい場合はアミノ酸を多く含む品種を、香ばしさを楽しみたい場合は焙煎向きの品種を選ぶなど、目的に応じた茶葉づくりが行われています。

また、同じ品種でも育つ環境や標高、土壌によって味の印象が変わるのもお茶の奥深さです。日本では現在、約120種類以上の登録品種が存在し、それぞれが地域の個性を反映しています。お茶を選ぶとき、「産地」だけでなく「品種」にも注目してみると、より豊かな日本茶の魅力に出会えるでしょう。

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記事監修

日本茶専門店 新緑園 代表取締役 茶匠 黒木信吾 (茶審査技術 九段 / 全国茶品評会 農林水産大臣賞 4度受賞)

宮崎県新富町にて昭和30年創業の新緑園代表。全国茶審査技術競技大会で全国でも数少ない「九段」を取得。

  • 全国茶品評会 農林水産大臣賞 4度受賞
  • 国内外コンテストで多数受賞
  • 日本茶普及活動にも従事

緑茶・紅茶・烏龍茶はすべて同じ茶樹(Camellia sinensis)から作られ、製法と品種の違いが味わいを決めます。日本茶の約7割を占める代表品種「やぶきた」をはじめ、「さえみどり」「あさつゆ」など個性豊かな品種が存在します。宮崎県の日本茶専門店・新緑園では、品種の特性を生かした煎茶や深蒸し茶を取り揃えています。

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