*

茨城県の日本茶産地ガイド|猿島茶・奥久慈茶・古内茶、茨城三大銘茶の歴史と特徴

茨城県は関東地方において埼玉に次ぐ茶の産地です。2015年の生葉収穫量は1,170トン、荒茶生産量は272トンを記録しています。県内には「猿島茶(さしまちゃ)」「奥久慈茶(おくくじちゃ)」「古内茶(ふるうちちゃ)」の3つが茨城三大銘茶として知られており、それぞれが異なる風土と歴史を持っています。日本茶の産地や銘柄を知りたい方に向けて、茨城県の茶文化をご紹介します。

茨城県の茶産地の概要

茨城県は北関東に位置し、昼夜の寒暖差が茶葉の香味を育む環境が整っています。古くから城下町や宿場町が点在していた地域でもあり、茶文化が生活の中に自然と根付いてきました。関東の煎茶産地として、埼玉とともに重要な位置を占めています。

茨城県の茶産地マップ

茨城三大銘茶の歴史と特徴

猿島茶(さしまちゃ)|古河市・坂東市・常総市・境町・八千代町など

猿島茶は県下最大の産地です。江戸時代から関宿藩の奨励作物として栽培が始まり、後に宇治から技術を取り入れたことで品質が向上し、江戸の市場を開拓しました。

ペリー来航による開国を機に、下田のアメリカ領事館へ積極的に宣伝を行った結果、安政六年(1859年)には開国後初めて海外輸出を実現した産地となりました。江戸との距離が近く、市場性の高い産地として早くから発展した背景があります。

なお、それ以前にも長崎を通じてオランダへ緑茶が輸出され、ヨーロッパ各国へ渡った歴史があります。ただし、緑茶と硬水の相性が悪かったため、後に登場した紅茶に取って代わられたとされています。

奥久慈茶(おくくじちゃ)|大子町

奥久慈茶は、新潟県村上市とともに一般流通される北限の茶産地として知られています。大子町の山間傾斜地で摘み取られ、昼夜の気温差が香りを深める要因のひとつとされています。

古くは「保内茶」「保内郷茶」と呼ばれていました。約400年前に宇治から持ち帰った茶の樹を西福寺境内に植えたのが始まりとされており、清らかな山間の風土を映した味わいが特徴です。

古内茶(ふるうちちゃ)|城里町

古内茶は県内で最も古い産地と伝えられています。城里町を中心とした平坦地で生産されており、県内でも生産量が多い銘茶です。

元々は清音寺の境内で栽培されていたものが起源とされています。水戸藩主・徳川光圀に献上したところ感動のあまり詩を詠んだという伝承が残り、その際に名付けられた「初音」の樹が現在も清音寺境内に残っているとされています。歴史的な背景を持つ銘茶として、県外の愛飲家からも注目されています。

※上記の茨城県産茶は新緑園ではお取り扱いがございません。あくまでも産地のご紹介となります。悪しからずご了承ください。

茨城県の茶産地の現在とこれから

近年は生産者ごとの取り組みも多様化しており、煎茶だけでなく紅茶づくりに挑戦する農家も増えているとされています。耕作放棄地の活用を目的とした新たな取り組みも進められており、地域資源としての茶の可能性が広がっています。

従来の技術を大切にしながら、新しい加工方法や品種に取り組む姿勢が地域に活気をもたらしています。茨城県の茶産地は規模こそ大きくありませんが、歴史の厚みと生産者の熱意が支えている点が魅力です。三大銘茶をはじめ、それぞれのお茶の個性を味わうことで、産地の風景まで思い浮かぶような豊かな時間を楽しめるでしょう。

日本茶の産地を知ったら、実際に味わってみませんか

茨城県の茶産地の歴史や特徴を知ると、日本茶そのものへの興味がさらに深まります。新緑園では、宮崎県産の煎茶をはじめとした日本茶を取り扱っています。産地の個性を感じながら、日々のお茶の時間をお楽しみください。

新緑園のおすすめ商品

記事監修

日本茶専門店 新緑園 代表取締役 茶匠 黒木信吾 (茶審査技術 九段 / 全国茶品評会 農林水産大臣賞 4度受賞)

宮崎県新富町にて昭和30年創業の新緑園代表。全国茶審査技術競技大会で全国でも数少ない「九段」を取得。

  • 全国茶品評会 農林水産大臣賞 4度受賞
  • 国内外コンテストで多数受賞
  • 日本茶普及活動にも従事

茨城県は関東有数の日本茶産地で、猿島茶・奥久慈茶・古内茶の茨城三大銘茶が知られています。猿島茶は開国後初の海外輸出を実現した歴史を持ち、奥久慈茶は北限の産地として山間の風土が香りを育みます。古内茶は徳川光圀ゆかりの伝承が残る県内最古の産地です。それぞれの銘茶が持つ個性と歴史をご紹介します。

ちょっと一息 お茶のよもやま話


日本茶Blog

Loading...

TOPへ戻る