
岐阜県は広大な山岳地帯が県土の大半を占め、昼夜の寒暖差が大きい気候が特徴です。この気候条件が、香り高く味わい深い茶葉の生育に寄与しています。特に西濃地域の揖斐郡や東濃の加茂郡は古くから茶業が盛んで、標高の高い茶畑が点在しているため、清々しい香気を備えた美濃茶が生まれてきました。
県内には小規模ながらも品質にこだわる生産者が多く、地域ごとに多彩な茶文化が受け継がれています。揖斐川や木曽川など清流に囲まれた土地柄は、茶の栽培に適した環境を整えてきました。深い山に囲まれた畑では日照が柔らかく、荒茶の段階から香りがしっかりと立ちやすい傾向があります。こうした自然条件が、岐阜県独自の?香りの美濃茶?という個性を形づくっているのです。市場では品質の高さから評価されることも多く、近年は県外からの買い付けや茶品評会で注目される機会が増えています。
揖斐茶は西濃地域を代表する銘柄で、爽やかな香気と丸みのある甘味が特徴です。揖斐川の清流と山風に育まれた茶葉は、やわらかな苦味が心地よく、幅広い層に親しまれています。同地域では古くから茶づくりが営まれ、池田町や揖斐川町には家族経営の茶農家も多く残っています。山の斜面を利用した茶畑は日照が適度に調整されるため、茶葉の芽が引き締まり、香りの強い茶に仕上がるのが魅力です。
一方、東濃地域の白川茶は、加茂郡白川町と東白川村を中心に生産され、落ち着いた香りと優しい甘みが飲み口を引き立てています。山深い地でつくられるため、茶葉の育成に時間がかかりますが、その分しっかりと旨味が乗るのが特徴です。また、恵那市・中津川市の恵那茶、下呂市金山地区の下呂茶、郡上番茶など周辺地域にも茶産地が点在し、それぞれ独自の個性が息づいています。美濃茶全体に共通する「香りの強さ」は、こうした山岳地帯ならではの気候が生み出す贈り物といえるでしょう。
美濃茶は揖斐茶・白川茶を中心に形成される岐阜県の広域ブランドで、香りの豊かさが最大の魅力です。標高の高い畑で育つ茶葉は、朝夕の冷え込みによって香り成分が凝縮され、抽出時に心地よい上立ち香を楽しめます。この香りは全国の産地と比べても特徴的で、ブレンド用としての評価も高まっています。地域ごとに小規模生産が多いことから、大量流通には向かない一方、丁寧な製法を守り抜いた茶づくりが続けられている点は大きな強みです。
近年は、地元の農家が若手生産者と協力し、栽培技術の継承やブランド発信に力を入れています。直売所やオンライン販売で美濃茶を扱う店舗も増え、県外の愛飲者から注目される機会が広がりました。観光地と連携した茶体験イベントも行われ、岐阜ならではのお茶文化が再評価されています。自然豊かな土地で育った美濃茶は、これからも地域の魅力を伝える存在として期待されています。
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